男子第6期生 活動の記録
 平成20年度男子第6期生(2008年 3月〜11月)の活動の記録をまとめました。
チームのみんなと農業やたくさんの自然体験をしました。仲間と笑ったり時には喧嘩したりいろいろなことがあった9ヶ月間でした。
 3シーズンに分けた全18ステージ、仲間と過ごした日々を思い出しながらご覧下さい。
■ 第1シーズン
 第1ステージ〜第6ステージ (3/14〜6/1)
 「はじめまして・地域探索」 
 塾にきて最初の活動は、はじめましてと地域探索でした。チームで自己紹介をして体を使ったゲームをしてから地域探索を始めました。初めてなので不安も大きく、緊張した面持ちでしたが、すぐにチームのみんなと打ち解け楽しそうにしていました。地域探索ではゴミ拾いをしながら自然塾周辺を歩き回りました。自然塾のある河内町には自然に囲まれています。ポイ捨てなどをしないよう心掛けましょう。また沢山の植物や生き物もいるので探してみても面白いですね。
 「鍬の伝授式」
 塾母より自分の鍬を受け取りました。この鍬は1期生から受け継がれてきたものです。自分の鍬を手にし、その重さとこれからの農作業に対して期待と不安を感じているようでした。伝授式の後のには早速、鍬うちの練習です。初めてする塾生も多くいました。ステージを重ねるうちに慣れて、上手に使えるようになります。
 自分の鍬は最後まで大事に扱って下さい。
 「消化訓練」
 消防の方にも来ていただいて消化訓練です。自然塾に限らず、いつどこで起こるか分からないので事前に訓練しておくことが大切ですね。
 消化器は中を水に変えて塾生が使いました。消化器があっても使い方が分からない人もいるのでよい勉強になりました。
 火事を起こさないよう火の後始末には注意して、万が一おきた場合は焦らず、安全な所へ避難しましょう。
 「シイタケの菌打ち」 
 しいたけの菌打ちではドリルを使いました。スタッフに使い方を教わり、早速やってみます。ふざけたり、気を抜いたりすると怪我をするので注意して真剣に行いました。その後、しいたけ菌を打ち込みました。シイタケができるまで2〜3年かかるので、みんなは食べることができませんが、よい体験になったようです。
 「味噌作り」
 味噌作りをしました。味噌汁は美味しく体にも良いです。石臼に煮た大豆を入れて潰し、麦・米麹とよく混ぜます。ねばりがでてきたら、ボールくらいの大きさに丸めます。丸めたら、かめに投げ入れます。最後にカビが生えないよう砂糖を軽くかけ、ラップで表面を覆います。これで後は4〜6ヶ月待つと、味噌が出来上がります。自然塾のお味噌汁が美味しいのは、きっと、みんなが頑張って混ぜているからですね。
 「竹の子掘り」
 竹の子掘りの名人の話が始まると真剣に竹の子の見つけ方や掘り方を聞いていました。だんだんとみんな期待が膨らみ早く竹の子掘りたくてうずうずしてました。
 話の後は実際に竹の子堀り開始です。竹の子の感触を足で探すのに苦戦していました。
 みんなが頑張って掘った竹の子は次の日の朝ご飯として美味しく頂きました。持って帰れなくて残念だったけどいい経験が出来ました。
 「天体観測」
 天気も良く、国際宇宙ステーションを見ることができてとても喜んでいました。
 また、塾生もスタッフも望遠鏡から見える月や土星を見て感動しました。月面に残る足跡が見えないということが分かると残念がっている塾生達も写真で見ているかのように月のきれいさやクレーターの形まではっきりと見え興奮した様子でした。
 「マナー講座」
 みんなが普段よく使う箸の持ち方、鉛筆の持ち方について学びました。日本の食事は箸を使います。日本人である私達が箸の持ち方をきちんとできていないと恥ずかしいですね。箸の正しい持ち方を習った後、実際に箸で豆をつかんでみました。うまくつかめる子、つかめない子様々でしたが、少しずつ上手につかめるようになりました。箸の持ち方の後は、鉛筆の持ち方、正しい姿勢を習いました。今まで違った持ち方で握っていた塾生は、時間をかけてでもいいので正しく握れるように努力して下さい。
 「刃物の使い方」
 ナタとハンマーを使って竹を箸の太さに近いぐらいまで割っていきます。それが1人2本そろったらナイフで削っていきます。最初に練習した木の幹より竹の方が硬く、始めは削るのに苦戦していましたが、だんだんと慣れていき上手に削れていました。物作りの楽しさを肌で感じたようで時間いっぱいまで箸作りに取り組んでいました。
 「水稲塩水選・温湯消毒・播種」
 『米』という字は、八十八とも読むことができます。自然塾では、播種から収穫、脱穀、精米までの一連の作業をすべて塾生に取り組んでもらいます。普段、何気なく食べているお米は、食卓に登場してくるまでどんな行程を辿っていくのかをこれから体験していくわけですが、今日はその第1ステップ「種もみの播種」。自分達で、良いもみと悪いもみを選び、57℃の温湯に浸けて消毒をしました。その消毒した種籾を育苗トレーに2粒づつ播いていく作業なのですが、気を抜くと2粒を5粒播いたり、作業が雑になったりと、塾生達に色んな状態が見られました。地道な作業は、我慢を伴いますが、物や命を大切に扱っていく上で、とても大切なことだと思います。
 「座禅会」
 足の組み方、息の吸い方吐き方、姿勢を正して目は1m先の畳の目を見る。一通り作法を教えて頂いたあと、みんな座布団に座って坐禅の開始です。坐禅中の和尚さんは真剣です。警策を背中に当てる際、動くとケガをしてしまうからです。一瞬ビクっとなり、あわてて姿勢を正す塾生達。真剣にするところと緩めるところをきちんとわきまえていないと、何事にもメリハリがなくなり、大切なものを見失ってしまうものですね。静かに、じっとする時間も、人間の成長には欠かせないことです。
 「タマネギの収穫」
 第5期生が定植した玉ねぎが収穫の時期を迎えました。玉ねぎの葉と茎を結束できる長さ(約20p)に切り、引き抜き、根っこの部分を切り落とします。そのあとコンテナや1輪車に乗せハウスの中へと運び乾燥させます。丸まると太った玉ねぎがたくさん収穫できました。
 「縄結び」
 農作業で支柱を立てる時に使う、まき結びと男結びについて習いました。まき結びは比較的簡単だったのでみんなすぐに出来るようになりました。男結びはまき結びよりも難しく塾生達も苦戦していました。結び方をマスターした塾生やスタッフに教えてもらいながら、出来るまで何度も練習していました。
 「ホタルの観察」
 特別講師として鳥栖蛍の会の方が来られ蛍について学習しました。その後、実際に蛍を見に行きました。数は少なかったけど、青白く光る蛍の光にみんな心を奪われていました。きれいな川でしか生息することのできない蛍、その1番の敵は私達だということも知りました。生活排水や、ゴミのポイ捨てによって川は汚れています。このきれいな光を放つ蛍がいつまでも生息できるようにきれいな環境を守っていきたいものですね。
■ 第2シーズン
 第7ステージ〜第12ステージ(6/13〜8/31)
 「泥んこ運動会」
 良い天気にも恵まれ、泥んこ運動会が開幕しました。二人三脚、綱引き、騎馬戦、泥スキーの4種目を競いました。チームで円陣を組んだり、声かけをしたりして勝負に挑みました。チームの結束力がより高まりました。塾生は泥だらけですが、とても生き生きとした表情でした。
 「田植え」
 小雨が降っている中で田植えを行いました。まず自分のセルトレーを田んぼの所まで運びました。トレーが割れないように竹を使い、慎重に持っていきます。
 自分でまいた種が大きくなり、その苗をペットボトルで作った容器に入れ、田んぼに植えていきます。今年は田植え綱を使わないで植えていきました。その際、浅すぎでも深すぎてもいけません。手の指の第2関節を目安に植えました。今回、田植えをしたのは、うるち米(夢しずく)です。米作りにはたくさんの手間と時間がかかるので、収穫できるのはまだまだ先です。大きく成長していくのが楽しみですね。
 「感謝祭」
 感謝祭の始まりです。みんな円になって収穫した野菜を囲みます。
 植物だけではなく、私たちが生きていく上で牛、豚、鶏などの動物がと殺されます。パックに詰められた6本の手羽先で3羽の鶏がさばかれています。
 命を頂くということを自然塾の活動や普段の生活から学んでもらいたいですね。
 「ジャガイモ料理」
 チームで分担して、コロッケとポテトサラダを作りました。手で、ジャガイモの皮をむいたり、タマネギやキャベツを切ったりと大忙しでした。
 特にタマネギのみじん切りやキャベツの千切りはみんな苦戦しているようでしたが、どのチームも上手に作ることができました。
途中、アクシデントでコショウをかけすぎてしまうチームもありましたが無事に完成出来てみんな嬉しそうでした。
 「水辺の生き物観察」
 チーム毎に生き物を探しながら上へ上っていきます。途中には歩きにくいところや深いところもありました。
 川の中には様々な生き物がいるのでよく見ること、そして魚を見つける時のポイントは自分が魚だったらどうするのかを考えてみることだそうです。石の下や草影を探していました。
 「チーム農園発表会」
 発表は、自分たちで作った表や作付マップを用いて行います。塾生たちは、実際に野菜を見せたり、写真を使ったりして工夫をしてみんなにわかりやすいように心がけました。また発表が終わると、他のチームや保護者などから質問があり、塾生たちは、質問されたことに丁寧に答えていました。
 「野外炊飯(カレー)作り」
  チームごとに飯盒で炊いたご飯と自分たちのチーム農園で育てたナスやピーマンなどを入れてオリジナルカレーを作りました。あ母さんたちは、子供たちの手つきにハラハラしていましたが、どのチームもおいしそうなカレーが完成しました。みんなで頂きます。普段よく話す塾生もこのときは、無言で食べていました。塾生の中には、何度もおかわりして、自分たちの作ったカレーに大満足でした。
 「そうめん流し」
 竹を縦半分に切り、節をきれいに取り除いたものに水を流し、そうめんを流していきました。流されてきたそうめんをわれ先にと取り合いになっていました。初体験の塾生も多く、一味違ったそうめんの食べ方に楽しみながらおいしくいただきました
 「河川プール」
 河内ダムの近くにある河川プールへ行きました。天気にも恵まれ最高のプール日和でした。ついたら準備体操をし、さっそくプールに入りました。鬼ごっこをして遊んだり、スタッフに飛び乗ったり、投げられたり、水をかけあったりして遊びました。 
 「九千部山登山」
 朝からリュックを背負って出発しました。頂上まで登れるか不安そうな顔をしている塾生、ワクワクしている塾生と様々でした。みんなで声をかけあったり、急な坂では手を差しのべあったりと協力しあいながら頂上を目指しました。途中、リンゴ峠でリンゴを食べると、それまでの疲れがとれました。
 約3.7q、時間にして約3時間のコースを全員登りきり、帰りも無事に下山することができました。
■ 第3シーズン
 第13ステージ〜第18ステージ(9/12〜11/14)
 
 「縄ない」
 縄ないとは、わらを編み、一本の縄を作っていく作業のことです。
 ほとんどの塾生が初めて縄ないを体験しました。縄ないの実演を見た後、早速チャレンジしました。
 「早朝登山」
 雲の多い天候でしたが、早起きしたかいがあり、とてもきれいな夜明けの空を見ることができました。
 私たちの日常に、当たり前のようにあるお日様の光。この日の出を見て、「お日様あっての命」ということを考えました。日光を浴びて大きくなる植物。それを食べて命をつなぐ虫、動物、そして人間。そんなお日様に感謝の気持ちを送りました。毎日ありがとう。

稲刈り

 千歯こき

足踏み脱穀機

コンバイン
  「稲刈り・脱穀」
 稲刈りはチームで順序良く、1株ずつ丁寧に刈っていき結束をしました。
 脱穀は三つの方法で行いました。千歯こぎ、足踏み脱穀機、コンバインの順に、時代の進化に沿って登場しました。古代の道具ほど、手間がかかり、稲穂もすべてきれいに取ることはできません。しかし、コンバインに移り変わっていくにつれて、短時間で脱穀ができるようになっていきます。人間の知恵やアイデアには終わりはなく、より良いものを研究し作っていく能力には、とても感心させられました。
 「野鳥の観察」
 日本野鳥の会佐賀県支部の方と現地で落ち合い、一緒にバードウォッチングをしてくださいました。
 カラス、キジバト、カイツブリ、セグロセキレイ、モズなどを見ることができました。
 「もちつき」
 大根おろし、砂糖醤油、きなこもち、あんもち、ぼたもちと沢山の種類のもちとけんちん汁を頂きました。播種から収穫まで自分達で育てた餅米、それをついて作った餅は最高でした。
 「夜の集い」
 今まで過ごしてきた仲間たちと最後の夜を、中央のキャンドルを囲みながら、自分の思い出を語り、歌い、この18ステージまでの活動を振り返りながら大切な時間を共有しようという目的で行われました。3部構成になっており、1部は点火の儀式で火の守である各チームのお兄ちゃん達が中央にある燭台に火を灯します。2部は各チームの出し物をします。3部は別れの儀式で、火の守から中央にある燭台の火をチームの仲間、スタッフに分火し、一人一言思い出を話していきます。その後肩を組み歌を歌い全員と握手をして終了となりました。
 最後にこれまでの感謝を込めて一人一人と握手をしました。笑いあり、涙ありのとても素晴らしい集いとなりました。
  「卒塾式」
 第6期生、30名の塾生が旅立っていきました。

 様々な体験を通して心も体も大きくたくましく成長したことでしょう。約9ヶ月間、寝食を共にし初めてあった学年も学校も違う友達とも本当の兄弟のように仲良くなりました。沢山の思い出ができました。9ヵ月間ありがとう。